コラム

その肩こりの原因は?

肩こりを訴える女性

肩こりで悩んでいらっしゃる方は多く、放っておいても楽にならず、むしろ悪化することもあります。
辛い毎日から解放されたいと考える方は多いのではないでしょうか?

肩こりの原因

ライフスタイルが大きく影響をされます。
原因はいくつか考えられますが、重要度の高いものを5つほど説明します。
猫背

悪い姿勢

猫背やストレートネックが代表的です。
勉強や仕事など手や目を使うと不良姿勢になりやすいです。最近はランドセルも重くなり、お子さんにも肩こりがみられるようにもなっています。

筋肉のアンバランスと衰え

偏った筋肉の使い方になり負担が掛かる部分は疲労で硬くなり、使われない筋肉は痩せます。硬くなる筋肉は固まることにより血行不良を起こし、痩せた筋肉は傷めやすい弱い筋肉となり症状が出やすくなります。運動不足が主な原因です。

イライラや緊張感などのストレス

ストレスを受けると、人は筋肉に力が入ります。怖い時や苦手な人に合うと緊張というか身体に力が入ります。日常的にストレスを感じている方は日常的に力が入った状態になるために、筋肉が強張ります。

腕の重さによる負担

片腕の重さは体重の6%と言われています。体重50kgとすると3kg、70kgとすると4kg程度となります。
筋力の弱い女性に多くみられる原因です。

椎間板の変性(衰え)

背骨と背骨の間には椎間板というクッションがあります。若い時は水分が豊富で柔軟性がありますが、年齢が高くなると水分が抜け硬くなり動きが悪くなります。年齢の関係だけではなく、若くても過度の負担を受け続けることや不良姿勢により、一部の椎間板に負荷がかかり柔軟性が低下していることも多いです。
椎間板が正しくきのうしなければ、身体全体の柔軟性が低下し、様々な衝撃が負担となり身体の疲労を感じやすくなります。

肩こりのメカニズム

肩こりは、上記の原因が複合して起こる事が多く、複雑です。原因は複雑でも肩凝りは血行不良です。
筋肉は疲労の蓄積により固まります。固まった筋肉は血管を圧迫し血行不良(血液循環)が悪くなり、酸欠・栄養不足をおこし「だるさ」や「痛み」を感じさせます。時間と共により血行不良を起こし悪循環で、がんこな肩こりとなります。
頑固なこりは、伝染します。こりを起こした筋肉は、働きが悪くなります。それをかばう形で、周りの筋肉に代役をします。肩の凝りを感じている方は、背中や腕の付け根も凝ります。

筋肉の強張りメカニズム

肩こりを起こす疾患

疾患から起こる肩こりもあり、関係性があるものを紹介します。
下記に示した疾患は治療対象としております。

当院では、疾患を治すというより、疾患を助長させる負担を軽減することで、症状の改善や手術を避けること、先延ばしにすることを目的として、対応しております。

頚椎椎間板ヘルニア

首にある背骨を頚椎といいますが、7コあります。その頚椎の間に椎間板と言われるクッション材が飛び出ることを頚椎椎間板ヘルニアといいます。飛び出た椎間板は近くを走る神経を圧迫し症状をおこします。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎症

頚椎に長年の負担が掛かり続けることで、骨に変形がおこります。変形を起こすだけなら、良いのですが、機能異常や神経を圧迫することで、症状を起こします。

頚椎捻挫(むち打ち症)

疾患ではなく、外傷というべきでしょう。主に自動車事故で、強い衝撃を受けたときに、首がむちのようにしなることで、各組織に損傷がおこり、症状がみられます。

むち打ち症

胸郭出口症候群

胸は肋骨により鳥かごのように肺を囲んでます。その上の部分で首との境目で神経や血管を圧迫することで、症状がおこります。後天的な要素もありますが、先天的な体系が原因となることもあります。

後縦靭帯骨化症・黄色靭帯骨化症

背骨を固定するために、靭帯がシートのように上から下へと存在します。その靭帯が固くなり、骨化した状態をいいます。原因は不明です。しかし、症状を悪化させないために生活習慣での姿勢、負担の軽減は重要なことになります。

肩こりの解消法

筋肉内の血液循環を改善が凝りを解消します。
患部を温めることやストレッチ・運動を行うことで凝り固まった筋肉をゆるめることができます。

温める

入浴

浴室が温まった状態であれば、半身浴で時間をかけて入浴すると身体が温まります。
浴室が寒い場合は、首までつかる方が温まります。
大きいお風呂も温まります。銭湯や温泉は、お湯が循環していて流れがあります。そのため身体に温かいお湯がどんどん当たるために、温める効果が高いです。

カイロ

ツボで大椎というところがあります。この部分にカイロを当てると肩こりに関わる筋肉が温まりほぐれます。

大椎場所

大椎とは、大きい大切な背骨という意味です 温めると肩こりだけでなく風邪予防にも効果があります

運動

軽い運動がおすすめです。軽くても身体が温かくなり汗がジワリと出るくらいがお勧めです。
暖かい季節なら、ウォーキングでもいいでしょう。寒い時期は、温まりにくいので室内でのスポーツや屋外ならジョギングで汗が出る程度が良いでしょう。

ストレッチ

最も手軽に仕事の合間や自宅で夜にもできます。

 

肩こりストレッチ

手軽にできて血液循環改善と肩こり解消

時間がない時や息抜きでもできるため、お勧めです。
ヨガなど本格的なストレッチはもちろん良いのですが、なかなか時間が取れない方には座ってもできる簡単なストレッチが良いです。

「運動やストレッチが効かない肩こりがある?」

運動やストレッチ・温めても肩こりが楽にならない方がいらっしゃいます。
筋肉が原因での肩こりでない方です。つまり原因が別にある方です。
そのような方は、一般的な肩回りの筋肉が固くなったわけでなく、いわゆるインナーマッスルという深層筋が固くなっています。
運動やストレッチで働く筋肉のアウターマッスルと言われる表層にある筋肉に対し、インナーマッスルの深層筋は姿勢の維持や内臓固定と保護を目的としています。そのため、運動やストレッチではあまり働きません。アウターマッスルとインナーマッスル本来、インナーマッスルは簡単に凝りを発生させません。持続的に働くことを前提とした筋肉だからです。原因は根深いところにあるためにインナーマッスルに凝りを発生させます。
その場合は、治療で肩こりを改善させる必要があります。根深い部分で様々な原因がインナーマッスルに負担をかけ、肩こりをおこします。
原因を突き止め、的確な手段により症状の改善へ導くことが必要とされます。

当院での治療

主にはり治療がお勧めです。

当院では、インナーマッスルが固くなる原因にアプローチします。
上記の「肩こりの原因」と「肩こりのメカニズム」の間にはもう一つの話しがあります。
姿勢の維持には背骨と筋肉の協調された働きにより保たれます。しつこい肩こりや急激な肩こりは、背骨(頚椎)の関節に問題を起こすことでより症状が強く現れます。関節部に問題が起こると柔軟性がなくなり、関節の動きに制限(可動域制限)が起こります。※来院時の可動域検査により確認します。患者さんご本人が普段気付いていないことも多くみられます。

椎間関節の炎症

肩こりで来られたか患者さんの頚椎をみるとほぼすべての方の関節に可動域制限がみられます。その可動域制限をはり治療で解消することで、多くの患者さんが肩こりの軽減を実感されます。
しかし、当院での鍼治療は骨格矯正ではありません。椎間板や神経の負担軽減を目的としていますが、骨格矯正を目的としていません。骨格矯正が必要な場合は首の治療を選択的に行うこともあります。

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