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秋はなぜ体調を崩しやすい? 秋の体調不良を予防する鍼灸と養生

秋の養生

朝晩の冷え込みや乾燥を感じる秋は、体調を崩しやすい季節です。東洋医学では「肺」と深い関わりを持ち、呼吸器や肌、心の不調が目立つ時期とされています。さらに「食欲の秋」で食べ過ぎると、消化器に負担がかかり、結果的に咳や痰などのトラブルにつながることも。この記事では、鍼灸の視点から秋に出やすい不調と、その養生法について詳しく解説します。


秋は「肺」と関わりの深い季節

秋は空気が乾燥し、朝晩の寒暖差も大きくなる季節です。東洋医学では、秋は五臓のうち「」と深い関係があるとされます。肺は呼吸や皮膚をつかさどり、潤いを保つ働きがありますが、乾燥に弱いため咳や喉の不調、鼻炎、肌荒れなどが出やすくなります。また肺と表裏関係にある「大腸」にも影響し、便秘や下痢といった消化器の不調につながることもあります。


秋に多い不調

呼吸器系

咳(咳が長引く)、喉の乾きや痛み、鼻炎、風邪をひきやすい 

肺が乾燥に弱いため、外邪(乾燥や寒さ)が侵入すると、咳や鼻の症状が出やすくなります。

皮膚

肌の乾燥やかゆみ、吹き出物や湿疹

肺は皮膚を主るとされ、肺の働きが弱ると皮膚の潤いが不足します。

消化器

便秘や下痢、胃もたれ

肺と大腸は表裏関係にあり、肺が弱ると便秘や下痢といった腸の不調が現れることがあります。

こころ

気分の落ち込み、孤独感

秋は「悲」の感情と結びつきが強く、物悲しい気分になりやすいとされます(心が沈みやすいのも特徴)。日照時間の減少も関係し、心身ともにバランスを崩しやすい時期です。


「食べ過ぎ」にも注意

秋は実りの季節で食欲が増しやすく、つい食べ過ぎになりがちです。東洋医学では消化吸収を担う「脾」が弱ると、胃もたれ・下痢・体の重だるさが出やすくなります。さらに脾が生んだ余分な湿気(痰湿)は肺に影響し、咳や痰、呼吸器症状を悪化させることもあります。


秋の養生ポイント

1. 食養生

梨、大根、はちみつ、白きくらげ、松の実などの食材で潤いを補いましょう(肺を潤すとされています)。

白い食べ物、旬の野菜、温かい汁物もおすすめです。

腹八分目を意識し、甘い物や油っこい物は控えめにすることが大切です。

2. 適度な水分補給

常温の水やお茶で喉を乾燥から守りましょう。

3. 生活習慣

早寝早起きで体のリズムを整え、冬に備える体力を養います。

朝の澄んだ空気の中での深呼吸や散歩は、肺を開き心身を整えます。

気分が落ち込みやすい時期だからこそ、趣味や自然にふれて心をゆるめることも養生の一部です。

4. 鍼灸とツボ

  • 列缺(れっけつ)、太淵(たいえん):呼吸器を整える
  • 合谷(ごうこく):免疫を高める
  • 足三里(あしさんり)、中脘(ちゅうかん):胃腸を助ける

呼吸器や免疫力のサポートに役立ちます。

セルフケアとして軽く押すのもよいですが、専門の施術で全身を整えるとより効果的です。


こんな方におすすめ

 「秋になると咳が長引く方、肌が乾燥しやすい方、食べ過ぎて胃腸の調子を崩しやすい方、気分が落ち込みやすい方」

ぜひ鍼灸でお身体を整えてみませんか。


まとめ

秋は「肺」と「乾燥」と「食べ過ぎ」に注意が必要な季節です。呼吸器や皮膚、消化器、こころの不調が出やすい時期だからこそ、食事・生活習慣・鍼灸を組み合わせることで、冬に向けて健やかなからだとこころを育むことができます。

特に、咳が長引く方・肌の乾燥が気になる方・胃腸の調子を崩しやすい方には、秋の養生がおすすめです。

鍼灸施術で全身を整えるとより効果的です。


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